サウダーヂな夜

障害物競走。

  • BID68|2017年06月14日


baby-Gなるものが流行った時、私は小学生で親戚のおばちゃんから白地にピンクが入ったやつをもらった。嬉しくて、防水機能に感動して、海だろうがプールだろうが、がんがんつけて泳いでた。お風呂にまで持ち込んでいた。小学生のおもちゃにしては高機能すぎてCASIOの底力にうっとりしていた記憶がある。

それからずっと経って、5年前の誕生日に真っ黒なメンズサイズのG-SHOCKを買った。当時の恋人には、フランス語の詩が彫ってある指輪をせがんで、毎日そのふたつをつけるというマイルールを作った。その時の私は、とにかくたくさんルールを作って方向音痴な自分に道を指し示そうとしていた。たくさんのマイルールは当時の日記にきちんと残っていて、読み返すとヒリヒリしたものを感じて、すがるように紡いだ言葉には少し嫉妬してしまう。

今では、G-SHOCKは電池を換えにいかなきゃと思ってそのまま、指輪はつい最近どこかへなくしてしまうほどにマイルールへの執着はなくなった。少しくらい肩の力を抜いても平気になった。それでも、隣のキラキラグリーングラスに颯爽と風が吹くたびに自分のことをまだまだ女の子だと思う。そんなことがまだまだ日常茶飯事だったりする。だけど、背中を押してほしいだけの相談をぐっとこらえて、つまらない泣き言は黙って友達と笑う夜、私はちょっとだけ女性になったなと思う。

「かなわないなあ」と思うことが最近あった。年下の女の子の素敵な歌声を聴いて、私は涙を流した。ここのところ、愛の世界を感じると私は泣けちゃうらしい。そんな日の帰り道、私はこうやってふとこれまでの自分を思い出したのでした。あんなに大好きだったホットケーキも最近めっきり食べなくなったな。

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香具師 Profile

きり

サウダーヂな夜スタッフ

ひょんなことから毎週日曜日「サウダーヂな夜」の昼営業にて働くことになりました。城下をぶらぶらする際には、ぜひ私の話し相手になってください。もしくは面白い本もあるのでふらりと読書に寄っていただけたら。

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