サウダーヂな夜

姉の進化形。

  • BID27|2016年09月19日


サウダーヂのバイト中に、私は三度目のおばさん記念日を迎えました。

私が初めての記念日を迎えたのは、ちょうど5年前のこと。駅の改札口で人を待っていると、父から「今日はおばさん記念日です。」と突然のメールが来た。あんたは俵万智かって心の中でつっこみながら、父の意味不明な発言の真意を確かめるべく、とりあえず弟に電話してみたら「いや、だから、俺…。」と言われ、人目もはばからずに叫んだことを今でも覚えている。21歳になったばかりで彼女がいるのかも疑わしい弟に、子供ができたなんて信じられなくて。

私にとって初めての甥っ子は、小さな魔物で、大人を惹きつけて離さないとてもずるい奴だった。甘えん坊で典型的なヘタレ、そんな彼が2歳の時に妹が産まれる。大人たちの空気が変わったことに気付いた彼の目がきりっと強くなった時、私は彼のことがとても好きだなと思った。

2番目の姪っ子は繊細なお兄ちゃんとは正反対で、動物園のオリに入った生き物のような女の子だ。彼女をみていたら、いつもげらげらと笑ってしまう。

そんな魔物たちに私が翻弄されているうちに、一番下の妹があっという間に結婚を決め、この度めでたく女の子を出産したというわけだ。

私たち兄弟3人は、いつも一緒だった。「家族」という単位に人一倍うるさい父親の教育方針のおかげで、部屋を持たず3人で小学生から高校生の間をずっと過ごしていた。時には弟のエロ本を妹と見つけたりもした。

いつも私が先頭をきって弟と妹を引っ張ってきていたつもりだったのに、気がつけば、ひょいっと、彼らはそこから飛び出し、いつの間にか私たちの探検隊は解散していた。この間、父が母に「あいつは自分の家族を持った方がいい」と言っているのを聞いて、少し、胸が痛んだ。

それでも私の気持ちなどお構いなしに、うちの家族はみんな面白がって、私のことを「おばさん」と呼ぶ。ずっと「お姉ちゃん」だった呼び名は周りとともに変わっていった。「誰がおばさんや!」と言うと甥っ子は大喜びして「おばさんちゃうなあ、しょこたんやんなあ。」とみんなを叱ってくれる。

というわけで、おばさん記念日も3回目となれば慣れたもんである。妹に名前を聞いたら「こはる」にするという。秋なのにって聞いたら「小春日和は秋のことだよ。」と教えてくれた。

それにしても「おばさん」っていう響きはなんてファニーなんだろう。自分のおばさんっぷりもなかなか悪くない気がするし、二世たちとの探検隊も案外楽しいなあと思う。こはるがどんな女の子になるのか、ちょっと楽しみである。

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香具師 Profile

きり

「ヒバリ照ラス」スタッフ

ひょんなことから毎週日曜日「サウダーヂな夜」の昼営業にて働くことになり、ひょんなことから表町商店街のヒバリ照ラスで働いています。

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