サウダーヂな夜

続・とあるBARの話

  • BID17|2016年08月05日

”そこ”に立った以上、すべての者は「役者」である。
あの一瞬の出来事からしばらく経って、僕は帰り道、「light my fire」が爆音で鳴り響いたとあるBARへ寄ってみることにした。
”あの”オーナーは不在だったが、快活な女性が奥で相変わらずのムーディな選曲を。
以前、僕のいない時にサウダーヂな夜を訪れてくれたとあるBARのスタッフの青年と出会うことができた。これもかなりの偶然。倉敷出身の良い青年である、心地のよいものに触れて気分が高揚してくる。
それにしても、この店のカウンターに立つ青年たちから感じる「覚悟」と「野心」といったら、、。
あのオーナーのもとで働くだけあって、素晴らしいスタッフが揃っている。
今日はこのまま、オーナーも居ないし、そろそろ帰ろうとした頃、カウンターの様子の異変に気づく。どうやらウンターの奥に座っている若者が、彼女を前にして、選曲していた女性スタッフと揉めている。不穏な空気が漂っている、、。
そして、次の瞬間、ついに若者が女性に手をあげた。すかさず女性は狂気乱舞し若者の胸ぐらをつかみ返す。
その狼煙とともに店にいたスタッフの青年たち(3人〜4人、サウダーヂに来てくれた青年も)が一斉に若者へ飛びかかった。
店内はフランス映画のサウンドトラックのような音楽が流れていた。
それでもカウンター内にいた年長スタッフは落ち着き払って「顔はやめとけよ」、と一言。
映画のワンシーンのような、僕は観客となって、ニヤついた口元を抑えながら、青年たちに引きずりだされていく若者を眺めていた。そういえば、20年以上前に働いていた倉敷のBAR SHUBY DOO WAPではイベントごとにこんな風景があったことを思い出す。
時代ではない。スタッフの心意気がそうさせてしまう。
オーナーだけではない。彼らにとっても、守るべき、譲れないものが明確にある。勿論、仲間が手を出されたら当然だけれども。
”そこ”に立つひとが、全身全霊をかけてそれぞれの「何か」を守り抜く。オーナーが居たらどんな展開だったのだろう。
とあるBARからの帰り道、さっきの若者が警察官を連れ、店へと戻っていくところにすれ違った。
少し引き返せば、ことの顛末を見届けることが出来たのだろうが、観客の僕にすればドラマの結末については既にどうでも良かった。
ちなみに、こんなことは年に一度あるかないからしい(笑)。
やはり、僕はこの度も出会ってしまうし、出くわしてしまう。
そんなまたしても悔しいくらいにやられてしまった前回のとあるBARの嘘のようなホントの話の続き。

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香具師 Profile

森山 幸治

サウダーヂエンタテインメント(有)代表
岡山市議会"DJ"議員
岡山市へ人を呼び込む魅力調査特別委員会委員長

岡山生まれの育ちが広島で実家は水俣。

学生の頃、酒は飲めなかったが音楽を聴きに通った倉敷のバー“シュビドゥワップ”でターンテーブルに出会いDJ活動がはじまる。その後、お酒が飲めないの が良い!ということでバーのスタッフになり、その後、洋服屋、レコード屋を開業する傍ら、音楽イベントも主催したりして辿りついたのが“サウダーヂな夜” という。その後、セイジカにもなるという。オカヤマのDJギインとは、なにを隠そう、サウダーヂ城城主モリヤマコウジ、はい、僕です。4年程サウダーヂ城を出て戦にまみれておりましたが、改修のため、いったん帰城しサウダーヂにて籠城に励みます。

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