サウダーヂな夜

遠く離れて

  • BID101|2018年01月03日

冬は、できるだけ帰省しようと決めている。
雪を恋しく思うから。同級生がみんな帰ってくるから。スキーやスノーボードができるから。いろんな理由があるけれど、やっぱり岡山に一人でいるのは寂しい、と思うからなのかも。岡山に進学して、友達も知り合いもたくさんできた。だから1人じゃないっていうのは確かにそうなんだけど、でも自分中心の生活は、やっぱり1人ってことなのかもしれない。

だから、私は帰省して、冬の実家でぬくぬくと過ごすのだ。実家に帰ってくれば、ご飯は全部作ってもらえるし、洗濯も掃除もやってもらえるし、こんな楽な生活はない。話し相手は常に家にいて、特に妹とは「えーその服似合わない!」とか「マニキュア貸して!」とか言いながら、楽しんでいる。
そして、地元の友達とも会える。私の同級生は今年大学卒業なので、みんな帰ってきていて、4日間ほとんど寝ずに飲む、遊ぶのサイクル。大学の大人びた友達も好きなんだけど、地元のちょっと(いや、かなり?)やんちゃで、無茶ばかりの友達との遊びも、なかなか楽しい。
そうそう、いろんなところにも行った。2日前にスノーボードをしたので、今でも体中バキバキ。でも、そんな筋肉痛さえ、今の私には楽しいのである。

ああ、ずっとここにいたい。…と思っているのに、あと2日で岡山に帰らなくてはいけない。
岡山に戻ったら、自分のペースの生活に戻るのみ。食材を買い込んで、洗濯をして、掃除機をかけて、あ、週末にバイトも行かなければ。私の生活が始まる。


ふるさとを遠く離れてざりざりと流れるみずに蜆を洗う/松村正直『風のおとうと』


きっと2日後、岡山に帰ってきて思うのだ。あ、私はやっぱり一人で生きていかなくちゃいけないんだなって。蜆を洗っている時かもしれないし、洗濯用洗剤を計り入れている時かもしれない。ふと、そう思うんだろう。そして、岡山と実家が遠く離れていることを、しみじみと感じてしまうのだ。

でも、それでも生活は続く。私は買い物に行かなければいけないし、お金を稼がなくてはいけないし、自分で汚した服を洗わなければいけない。自分で、生きていかなくては。
その生活を支えてくれるのが、こうやって帰省して楽しく過ごした時間だ。私は、あと2日間どうしても楽しまなきゃ。

共感いただけましたら、シェアなどよろしくおねがいします。

香具師 Profile

川上まなみ

岡山で暮らし始めて4年目。大好きな本を部屋に増やしながら生活しています。短歌を作っています。

Other Articles

「週刊私自身」 New Articles

サウダーヂなTOPICS

close

Copyright saudade-ent.com | Developed by dak